02.テクニカル編

ディストリビューションを使った株の投資法と調べ方【オニール流】

日経平均など相場全体が足踏みを始めたり、下がり始めるとでてくる言葉の一つに「ディストリビューション」という言葉があります。

また、利益を最大限に取りたかったのに個別銘柄が下落してしまった場合に、次回こそ利益を最大限にしたいと思って調べたときにディストリビューションという言葉に出会いませんでしたか。

 

ポイント

ディストリビューションは「売りが買いを上回ったと考えられる日」です。

言い換えれば、「大口の機関投資家が売り抜けた日」と言い換えてもいい日です。

 

株式投資をしているとそれほどメジャーな言葉ではないこの「ディストリビューション」は、インターネットで「ディストリビューション」と検索しても株ではなくLinuxなどのサイトが表示されるケースが大半です。

「ディストリビューション 株」と再検索してやっと表示されたのではないでしょうか。

 

では、なぜこの言葉が大切なのかというと、あの有名なウィリアム・オニールがこのディストリビューションを大切にしているからです。

投資の世界に入ったのであればこちらの画像のようなオニールの書籍は一度は読んだことがある方が大半だと思います。

もちろん、私が投資を学ばせていただいてるDUKE。さんも大切にしている指標になります。

 

ぜひ、ディストリビューションは「売り抜け日」とも言われていますので、ぜひ知識を深めていただければと思います。

 

ウィリアム・オニールの書籍

1. ディストリビューションとは売りのサイン!天井を見極める手段に

今回のディストリビューションを活用する前提はこちらです。

いずれも、相場が崩れるサインを見極めるためにディストリビューションを使います。

 

前提

日経平均などの指標が右肩上がりに上がっている状況

個別銘柄の株価が右肩上がりに上がっている状況

 

一言でいえば「上昇している間にディストリビューションが発生したら売りサイン」ということを覚えておきましょう。

ディストリビューションだけに頼ることは良くないですが、危険サインは株が教えてくれるという一つです。

 

 

逆にチャートが右肩下がりの銘柄では、このディストリビューションは役に立ちませんので、天井を見極める手法として考えると良いですね。

 

次の例のように「D」がディストリビューション・デー(ディストリビューションの判定が出た日)を表していますが、こちらが2~4週間で5回出現したら危険信号ということです。

こちらの図では2~4週間でディストリビューション・デーは5日発生していないので、まだ上昇中ですね。

 

2. ディストリビューションと認定する2つの要件を徹底解説

ディストリビューションを理解して、それを実践で活用するには2つの要件を知っておく必要があります。

両方を満たして初めて売りサインであったり、天井間近だと判断していきます。

ディストリビューションの2つの要件を満たした場合には、天井を意識してキャッシュポジションを増やすなど検討しましょう。

 

ディストリビューションの2つの要件とは次のとおりです。

【ディストリビューションと認定する2つの要件】

「2つの条件を満たしたディストリビューション・デーが発生する」

「ディストリビューション・デーが、2~4週間のなかで5回発生する」

 

2-1. ディストリビューション・デーとなる2つの条件

一つ目の「2つの条件を満たしたディストリビューション・デーが発生する」についてです。

ディストリビューションの判定は、「ディストリビューション・デー」が発生しなければ始まりません。

 

売りが買いを上回った日ということですが、その要件はこちらの2つの条件を確認することで満たすかどうかの判断ができます。

 

ポイント

ディストリビューションの2つの条件

①当日の終値が、前日の終値より安い(0.2%以上の下落)

②当日の出来高が、前日の出来高より多い(割合は問わない)

 

具体的なチャートで確認をしてみると次のようになります。

ディストリビューション・デーの2つの条件

 

ディストリビューションが起こる理由は、株価の動きと人の心理・出来高の関係を次のとおり3つ見てみるとわかってきますね。

「売りたい人が多く」ても、「買いたい人がそれ以上に多い」のであれば株価は上昇

「売りたい人が多く」て、「買いたい人が少ないが、保有したままの方が多い」場合には、株価は下落しますが出来高が増えない

「売りたい人が多く、買いたい人・保有したい人が少ない」と、株価が下落して出来高も増える

 

この最後がディストリビューション・デーを作る際の心理や状況ですね。

 

2-2. ディストリビューションが危険サインになる出現回数

ディストリビューション・デーの2つの条件を満たすだけであれば、日経平均がマイナスの日に合わせて発生するなどそれほど珍しいことではありませんね。

しかし、これが一定期間に頻発するようになると相場の流れが変わってくることになります。

 

また、機関投資家は目に見えて分かるほど突然に多くの株を売却しません。自分たちが一斉に売却してしまうと株が下落してしまい儲けが減ってしまうからです。

株価を下落させないように上手に売り抜いてきますので、このタイミングを見逃さないようにしなければなりません。

 

ディストリビューション・デーが危険サインに変わるのは、次の条件を満たした場合になります。

ポイント

ディストリビューション・デーが、2~4週間のなかで5回発生した場合

 

この要件の裏付けを確認しておきましょう。

 

DUKE。さんの著書でも「危険サインの出現回数をチェック」ということで、このディストリビューションの出現回数のチェックが大切であるということが書かれています。

「危険サインの出現回数をチェック」

2~4週間のなかで、ディストリビューション日が5回あれば、市場が上昇トレンドから下降トレンドへ転換した可能性が高いと判断できます。

出典:「1勝4敗でもしっかり設ける新高値ブレイク投資塾」(DUKE。さん)

 

また、オニールの著書にはCANSLIMの「M = 株式市場の方向性の見極め方」として次のように書かれています。

「マーケットの天井を見極める方法」

天井を打つ直前での大量売りは、通常なら4~5週間に3~5日起こる。つまり売り抜けは、市場がまだ上昇中に起こるのだ!

2~3週間というやや短い期間でも、明確な売り抜けが4日あれば、それまで上昇してきた市場を下落させるだけの力を十分に蓄えた可能性がある。

出典:オニールの成長株発掘法 【第4版】

 

こちらを一言でいうと、DUKE。さんの言葉にまとまると思いますので、「2~4週間のなかで、ディストリビューション日が5回」を基準にしました。

期間に含みがありますので、ご自身でどの数値を活用するかは調整ですね。

 

3. ディストリビューションの要件を満たして下落したパターン

ディストリビューションを簡単に調べる方法についてご紹介します。

チャートを見ながら判断していくのはかなり大変ですので、自動でディストリビューションを表示させてほしいですよね。

ディストリビューションを簡単に調べる方法をご紹介します。

3-1. 相場の流れを知るために日経平均のディストリビューションを確認しておく

相場の流れを知るには、まずは指標を確認していきます。

残念ながら日経平均のディストリビューション・デーを確認するツールが見つからなかったのですが、アメリカの主要な指数については確認できました。

 

こちらの図はダウの日足のデータです。

上昇したあとヨコヨコになっているのですが、上昇をしていきそうなチャートをしています。

しかし、その間に5つの「D」が発生していて、このあと下落が始まっていますね。

 

市場が上昇している途中にディストリビューションが発生して、そこから下落が始まるというまさに典型的なパターンですね。

このようなケースは多々発生していますので、ご自身でもすぐに見つけられると思います。

 

3-2. 個別株のディストリビューションを確認しておく

個別株で見ていくと、こちらも大きく上昇をしたあとディストリビューション・デーが5日とともに下落が開始しています。

個別株の場合には、ディストリビューションを待たずに急に下落をする場合がありますので注意が必要ではありますが、上昇トレンドの途中でBOXを作りベースを作成し始めたら、ディストリビューションの確認をしておくと良いですね。

 

 

4. ディストリビューションを簡単に調べる方法

ディストリビューションを簡単に調べる方法についてご紹介します。

チャートを見ながら判断していくのはかなり大変ですので、自動でディストリビューションを表示させてほしいですよね。

ディストリビューションを簡単に調べる方法をご紹介します。

 

本記事でご紹介をしているチャートはすべて「TradingView」です。

 

参考

TradingViewは、無料版の「BASIC」でも利用できますが、有料プランの「PRO」か「PRP+」の契約をされることをおススメします。
PROにアップデートするだけで、広告の非表示、インジケーターも1チャートに5個表示でき、2画面の画面分割にも対応できます。
アラートも最大10個まで設定できるので、PROだけでも必要十分な機能を得られます。

「PRO」「PRP+」の機能比較や申し込みは ⇒ こちらから

 

さて、具体的なディストリビューションを表示する方法をご紹介していきます。

 

① まず「TradingView」にアクセスします。

② トップページの検索窓に「証券コード」「銘柄名」「マーケットの指数名」などを入力して検索します。

今回は「6036」と入力して「Keeper技研」を検索します。

 

 

③ 銘柄の候補が出てきますので、表示したい銘柄や指数を選択します。右側に市場が表示されますので、今回は東証(TSE)を選択します。

 

 

③ 「Keeper技研」のチャートが確認できました。初期設定の状態ではディストリビューションは表示されません。

 

 

4-1. Trading Viewでディストリビューションを表示させる(標準編)

では標準編として、「TradingView」に初期から設定されているディストリビューションを利用して、ディストリビューション・デーを確認しましょう。

先ほどの③の続きからご紹介していきます。

 

④ 画面上部の「インジケーター」をクリックして、検索窓を表示させます。

⑤ 検索窓に「distribution」と入力すると、」と「distribution」という文字を含むインジケーターを検索してくれます。

⑥ その中から「Auto Flag Distribution Days」を選択します。

 

 

⑦ チャートに「✕」が表示されました。いくつか例として赤四角で囲いましたが、ディストリビューション・デーには「✕」マークがつきました。

 

 

注意ポイント

こちらの「Auto Flag Distribution Days」には注意点があります。

①当日の終値が、前日の終値より安い

②当日の出来高が、前日の出来高より多い

こちらの2つの要件を満たしていますが、①の株価については「0.2%以上の下落」というルールを満たしていません。

 

以上から、ディストリビューション・デーのを簡易的なルールで見つけるためにはこちらの方法で十分かと思います。

 

4-2. Trading Viewでディストリビューションを表示させる(応用編)

次に応用編として、「TradingView」に自分でディストリビューション用のプログラムを作成・登録して、ディストリビューション・デーを確認しましょう。

先ほどの③の続きからご紹介していきます。

④ 画面下の「Pineエディタ」をクリックして開きます。ここでオリジナルのプログラムをすることでディストリビューション・デーを表示させます。

⑤ 「開く」を押して「新規の空のインジケーター」を選択します。

 

 

⑥ 2行目にご自身のログインしているアカウント名が、4行目に今回のPineエディタのプログラムのバージョンが自動で入ります。

本来は、5行目からがプログラムをする場所です。

ただし、今回は準備したプログラムを貼り付けるので、自動で入力された1行目以降のプログラムはすべて削除します。

 

 

⑥ 本記事では、こちらに貼り付けるスクリプトプログラム内容は掲載しませんが、私のnoteにプログラムを公開していますので、そちら参考にしていただければと思います。

リンク先のプログラムをコピーしたら、(すべてPineエディタ内が消えている状態)プログラムを貼り付けます。必要な作業はこれだけです。

今回作成するプログラムは「Distribution FPIT」という名前にしました。

 

 

⑦ 貼り付けたら「保存」ボタンをおして、チャートに追加を押します。

この作業の中でプログラムが正しいかどうかのコンパイル(エラーチェック)がされますので、もしエラーが表示されたら解決します。

 

⑧ 完成した「Distribution FPIT」をチャートに表示するとこちらのようになります。

「D」「▼」が表示されていますね。

 

ポイント

こちらの「Distribution FPIT」は、次の要件を満たしたはものになります。

チャート上にディストリビューションデイを”D”と表示します。
”D”と表示する条件は3つあります。

①当日の終値が、前日の終値より安い
②当日の終値が、前日の終値より0.2%以上下落
③当日の出来高が、前日の出来高より多い

上記に加えて、

20営業日内に5回”D”が発生すると、画面上部に”▼”を表示します。

 

こちらを活用すれば、一目見るだけでディストリビューション・デーがわかり、さらに転換点もわかりますよね。

 

さいごに

ディストリビューションについて、ディストリビューションの要件から、実際のチャートでの確認方法や調べ方についてご紹介してきました。

現時点ではディストリビューション・デーを表示するには、TradingViewが一番便利だと思います。

簡易的なディストリビューション・デーの表示方法でも、プログラミングをして詳細設定をした応用版の表示をしても、どちららの活用でも良いかと思います。

どちらでも最後の判断はディストリビューションだけでは物足りないので、他の要件と組み合わせる必要がありますね。

 

ぜひ、相場の「危険サイン」を感じ取って、少しでもお送り利益を確保できるようになっていきましょう。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

FPIT

▶「株式投資×IT活用」を考える兼業投資家
▶ ファイナンシャルプランナーを活かし学んだことをFP視点でアウトプットし、 個人ができるIT活用・効率化ツールの自作版も公開
▶ダイエットも低糖質・ファスティングの両方を成功し▲20kg
▶ KWは株式投資/IT/Excel/スプレッドシート/お金/その他ヒント
▶ ご相談やコメント等がございましたら、お問い合わせフォームからご連絡ください

-02.テクニカル編

© 2022 FPITブログ