は株価が大幅に変動して「今日はストップ高またはストップ安になるのでは?」と思ったところで「いくら変動したらストップ高?ストップ安?」というように、値幅制限についてすぐに知りたいと思われているかと思います。
株価には1日の相場で動いてよい値幅の制限があります。
この制限の高値の上限がストップ高、下値の下限がストップ安ですので、まずは一覧表で確認していきましょう。
ストップ高になった銘柄は大きな変化点があれば継続保有、ストップ安の銘柄はご自身の損切ラインと相談して売却の判断が必要になりますね。
ポイント
本記事では「値幅制限」と「制限値幅」という2つの言葉が出てきます。
「値幅制限」:一般的によく使われる表現。検索数もこちらの方が多い。
「制限値幅」:制度上の正しい呼び方。2章でご紹介。
目次
1. 株の値幅制限の一覧表
株の値幅制限は前日の株価を基準に考えていきますので、まずは前日の株価を確認して「基準価格」の欄を確認し、そのあと「制限値幅」の欄を確認します。
例えば、、、
前日の終値が1,200円の場合には、「制限値幅」のところに300円と書かれています。
この場合の翌日の値幅制限は、1,200円を起点にストップ高は+300円の「1,500円」・ストップ安は▲300円の900円となります。
※50,000円以上の制限値幅は省略
注意ポイント
注意点としては、2営業日連続でストップ高やストップ安で終わった翌日の取り扱い方法です。
こちらは3章でご説明します。
2. 株の値幅制限とは1日で株価が変動する最大値
1章で確認した値幅制限は、株式市場にはありますがFXやビットコインなどの別の投資領域には存在しない考え方になります。
株の値幅制限とは、1章の表にあるとおり1日で株価が変動する値幅の限度額のことを言います。
ここまでお読みいただいてすでにお分かりだと思いますが、冒頭でも記載のとおり値幅制限の価格まで変動したことをストップ高・ストップ安と言いますので、次のようになります。
ポイント
・「ストップ高」:制限値幅の高値まで株価が上がること
・「ストップ安」:制限値幅の下値まで株価が下がること
これらは投資家を守るためのルールだと言われており、どちらかというとストップ安の制度が該当します。
これは、有事の事態が発生しても1日の変動をストップ高・ストップ安の制限値幅を上限とした価格変動に押さえることで、投資家の損失を最小限に抑えるものだと言われています。
ストップ高やストップ安の考え方や活用方法は別の記事でご紹介していきますが、ストップ高やストップ安が生じる条件として値幅制限は押さえておきましょう。
3. 株の値幅制限が拡大!ストップ高(安)は2営業日連続で4倍に
ストップ高・ストップ安の制限値幅は1章のとおり決まっていますが、これはあくまでも2営業日連続までの制限となります。
珍しいケースではありますが、一定の条件を充足すると値幅制限が拡大することになります。
これを更新値幅と言います。
具体的には、2営業日連続ストップ高・ストップ安になると3営業日目の制限値幅は4倍まで増えます。
また、更新値幅の条件は2つあり、いずれかに該当している必要があります。
場中に寄り付かずにストップ高・ストップ安となれば該当していることになりますね。
参考
(1)ストップ高(安)となり、かつ、ストップ配分も行われず売買高が0株
(2)売買高が0株のまま午後立会終了を迎え、午後立会終了時に限りストップ高(安)で売買が成立し、かつ、ストップ高(安)に買(売)呼値の残数あり
この更新値幅の制度は2020年8月3日から変更になりましたが、今では当たり前の制度となっていますね。
以前は3営業日連続の場合に2倍まで拡がっていました。
3-1. 更新値幅の具体例
更新値幅の具体的な例についてみていきましょう。
900円の株が2営業日ストップ高になった場合の具体例です。
ストップ高の4倍の例
次の銘柄がストップ高になることを想定してみます。
銘柄の価格:900円
制限値幅:150円
営業日 | 制限値幅 | 価格 (ストップ高) |
備考 |
前日終値(基準価格) | - | 900円 | |
1営業日目 | 150円 | 1,050円 | |
2営業日目 | 300円 | 1,350円 | |
3営業日目 | 1,200円 | 2,550円 | ※4倍 |
3-2. 更新値幅になった銘柄の調べ方
更新値幅になった銘柄を調べる方法としては、JPXのサイトを見ると確認することができます。
JPXのサイトのマーケットニュースの欄を表示すると確認できます。
①マーケットニュースを確認し、一覧の中から「制限値幅の拡大:〇銘柄」というニュースを見つけます。
②実際の記事を確認すると、こちらのように該当する銘柄と要件が書かれています。
図のように2021年11月24日の制限値幅を拡大した銘柄を確認すると次のような記載があります。
(株)アールプランナー 株式(コード 2983)
制限値幅(上限):12,000円(下限は通常どおり3,000円)
基準値段:10,630円、ストップ高:22,630円、ストップ安:7,630円
(株)ホープ 株式(コード 6195)
制限値幅(上限):320円(下限は通常どおり80円)
基準値段:481円、ストップ高:801円、ストップ安:401円
③実際にアールプランナーのチャートを確認しておきましょう。
11/23・11/24のストップ高を確認してみると、張り付きストップになっていますね。
さいごに
上場企業の決算や適時開示などの情報をもとに翌日ギャップアップまたはギャップダウンして始まることが見られますが、そのままストップ高やストップ安になり場中に値が付かないこともあります。
または、場中に株がが上がっていき大幅に上昇をして終わるケースもあります。
いずれにしても株価は1日で変動する値幅に制限があります。大きく上昇したり大きく下落すると、この値幅制限について知りたくなりますので、本記事を読んでいただけたことかと思います。
あわせて、値幅が付かない状態でそのままストップ高・ストップ安となることが2営業日連続で起こると、制限の幅が変わって更新値幅という制限値幅の4倍の数値に変更となります。
このあたり、値幅制限について調べた結果としてストップ高・ストップ安を正しく読み解いていく一つの情報として確認をいただければと思います。