03.ファンダメンタル編

CANSLIMの「M」だけに注目!【オニール流】投資への活用術

「オニールの成長株発掘法を読んで」または「CANSLIMを知って」、もう少しCANSLIM「M」について詳しく知りたいと思われていると思います。

 

株式投資をしていると必ず出てくるのが「ウィリアム・オニール」ですね。

オニールの投資法である「CAN-SLIM」の

「M=Market Direction (株式市場の方向)

~見極め方~」

について、私なりに理解した内容をまとめるとともに、どのように投資へ活用しているのかについて触れていきたいと思います。

 

CAN-SLIM全体については、本サイト内のこちらの記事でまとめています。

 

参考

こちらの本を読んでポイントをまとめたものです。

まだ読んでいない方はぜひ一読されることをおススメします。

「オニールの成長株発掘法」

⇒ CAN-SLIMは「最も一貫した最高の成績を上げた手法の一つ」

 

1. CAN-SLIMの「M」は株式市場の方向性を読む!

CAN-SLIMの考え方をここまで6つ学んできましたが、その6つの条件をすべて満たした銘柄を見つけたとしても、マーケットの方向性が見誤ると意味が無いというものです。

 

市場が下向きのときは、保有している株式が4銘柄であった場合には3銘柄は日経平均とともに真っ逆さまに下落することが想定されます

 

今が強気相場(上昇トレンド)なのか弱気相場(下降トレンド)なのか正確に判断できるような、分析方法を学ぶ必要がありますね。ただ、プロの投資家やブローカーでもこの技術を習得している人は非常に少ないということです。

 

ただ、マーケットの方向性を知るだけでは十分ではない。

強気相場であればそれが初期段階なのか終盤なのかを知る必要もあります。また、マーケットを取り巻く環境が悪化して値を下げているのか、単に通常の中期的な下落(8~12%)なのか。など理由についても把握が必要です。

 

では、どうしたらよいか。

マーケットの方向性を判断する最善の方法は、主要な平均株価3~4種類の日足チャートで価格と出来高が日々どのように変化しているのか注意深く観察をすることが大切です。

 

「マーケットの動きを予測するのは絶対に不可能でだれにもなし得ない」――このような誤った思い込みは、元はといえば四〇年以上前に投資信託のマネジャー数人がマーケット予測に挑戦して失敗に終わったことから生まれた迷信だ。

オニールの成長株発掘法

 

2. マーケット全体とは?

「マーケット全体」とは、主要な市場指標を意味しています。

アメリカでいうと「S&P500」「ナスダック総合指数」「ダウ工業株30種平均」などのことをいいます。日本でいえば「日経平均株価」「TOPIX」「JPX日経400」などですね。

 

マーケットの方向性は人に聞いても成長しないし、今後も理解できないまま進んでいきます。

大切なことはも自分で日々観察をして分析をすることで、天井や底をつけることを見極められるようになっていくことです。

 

2-1. 強気相場と弱気相場の転換

強気相場も弱気相場もそんなに簡単には終わりません。通常は2~3回ほどの予測しづらい動きをしながら株価が上下し、わずかに市場に残っていた投資家をだましたり、ふるい落としたりします。このふるい落としが終わったタイミングで方向転換をしていきます。

 

弱気相場の終わりは、通常、景気がまだ下向きのときにやってきます。

強気相場の終わりは、通常、不景気が始まる前に天井を打って下向きに転じます。

 

これは、株式が将来の経済事象、政局、世界での出来事などを何か月も前からすべて織り込むからです。

また、株式市場は他の経済指標と比べて先行して動くため、他の指標の変化を見て株の売買時期を決めるのは、実はお粗末なやり方などのでおすすめできません。

 

2-2. マーケットの指数を毎日分析

弱気相場の株価は、寄り付きで強く、引けで下落する傾向があります。

強気相場の株価は、寄り付きで弱く、引けで上昇する傾向があります。

 

これらの動きを日々を観察することが大切で、補助的な指標をみたりニュースレターに読むことは時間の無駄です。専門家が市場の先行きに不安を抱えているときに限って、市場の転換点を迎えて市場は上昇する傾向があります。

 

上記のようにマーケット全体が天井を打ったことを確認できたら、保有株を売って少なくとも一部を現金化し、信用取引を縮小して自分の口座を守ることが大切です。一旦現金化をして、市場が落ち着いたらまた取引を再開すればよいですね。

天井から下落を始めるタイミングは現金化のチャンスであり、市場の先導株も急速に値を下げることがあり、その中にはもう二度と以前と同じ株価水準まで回復しない銘柄もあります。

 

市場に逆らって得るものは何もありません。

経験を積めばわかることですが、市場を出し抜こうとすると金銭的には痛い目に合うだけです。

 

2-3. 33%の損失の下落を取り戻すには50%の上昇が必要

 

マーケット全体の方向性を知る重要性はいくら強調しても足りないですね。

ポートフォリオで33%の損失を出すと、トントンに戻すためにはそこから50%の利益が必要になります。

利益を確実に得るため、損失を抱えて投資資金を塩漬けにしないためには、天井の見極めがとても大切になります。

 

3. マーケットの天井を見極める方法

上昇相場に乗ってトレードをすることはとても大切ですが、マーケットの天井を見極めて利確をしたり、投資のタイミングを判断することはとても大切です。

マーケットの天井を見極める方法としては、ディストリビューションや先導株の動きの変化、ボロ株が上昇をはじめたときなどが該当します。

 

ここまで学んできたCAN-SLIMのM以外を忠実に守ったとしても、マーケットのタイミングを間違えると勝率が下がったり、利益の額が思ったほど取れないような状況になります。

 

3-1. 指数のディストリビューション

マーケットの天井を見極めるためには、指数が上昇していくことを毎日注意深く観察することから始めていきます。

すると上昇トレンドをしていたある日突然、マーケット全体の出来高が前日よりも増加したのに株価指数は失速して動かない(前日の上昇に比べて勢いが衰えた)という現象が起こります。

この「株価の上昇を伴わない出来高の増加」の場合、その日の平均株価が下げて終わる必要はないが、ほとんどの場合では下げて引けます。これは機関投資家による株式の大量売り、つまり「売り抜け」の状態を明確に示すことになります。

 

天井を打つ直前での大量売りは、通常なら4~5週間に3~5日起こります。つまり売り抜けはまだ市場が上昇中に起こるということになります。これこそが、売り抜けを見極められる投資家が極端に少ない理由の一つになります。4~5週間で明確な売り抜け4~5日あるとその後の市場全体はほぼ必ず下落を始めます。

2~3週間というやや短い期間でも明確な売り抜けが4日あれば、それまで上昇してきた市場を下落させるだけの力を十分に蓄えた可能性があります。

 

この単純で強力なルールに従ったことで、ハイテク株の壊滅的な下落やサブプライムローン問題が引き起こした弱気相場で命拾いをした投資家が多かったはずです。

 

「売り抜け日」は、前日の出来高より増加したのに株価は下げて引けたこと確認出来たら、その下落率が0.2%以上であることを条件としてカウントします

 

多くの場合、マーケットが天井をつけたあとは、弱弱しく上昇をしたあとに下落に転じます。弱弱しい上昇を示す3つのサインはこちらになります。

①平均株価が3日目・4日目と上昇をしていくのに出来高は前日よりも良くない

②平均株価の上げ幅が前日より少ない

③平均株が前につけた高値から直近の安値のの値幅の半分も回復していない

 

 

3-2. 主導株から市場の天井を見極める

平均株価の変化を示す指標の次に重要なものは主導株の動向です。

主導株が上昇しながら3回目あるいは4回目のベースを抜け出たときに異常な値動きを示すことがあります。

出来高が急増しているのに高値へとブレイクできないような異常な値動きを見せているものや、直近の四半期収益が深刻なほど伸び悩む銘柄もあります。

 

3-3. その他の弱気相場の警告

◆ボロ株の上昇は要注意

主導株がつまずき始めて、逆に出足が遅く安値で低品質の停滞株が値を上げて強くなっているのを見れば、上昇トレンドが終わりに近づいている知らせであることもわかります。

老犬が吠え始めると、マーケットは最後の弱った足でようやく立っている状態だと言われ、停滞株には市場を牽引して株価を上昇させるような力はありませんので、弱気相場に移行していくことになります。

◆天井での反転

相場が新高値を付けたあとその日の安値で引けたときは、多くの場合、平均株価が小さめのベースから抜けて新高値圏内へと向かい始めてから3~9日ほど上昇する間に起こります。これはこのパターンの初めから終わりまでの期間が短すぎることを意味してます。

過去に現れた天井はほぼすべて同じよな状況にあったことを覚えておくと良いとのことです。

 

4. マーケットの底を見極める方法

弱気相場の到来から、次に市場に参加していくタイミングを見極める方法です。

市場に早く戻りすぎると上昇しているように見えた株価がやがて力を失い、そして資金を失ってしまうことになります。

マーケットが上昇を試したタイミングで焦って参入するのではなく、上昇トレンドに入ったことを確認できるまでじっと待つことが大切です。

 

4-1. 上昇への試しから本物の上昇へ

日経平均などの主要な指数が下落したあとに上昇して引けると上昇への試しが始まります。例えば午前中に3%下落したのに、午後には回復して高値で引けるような場合です。または、2%下落したが、翌日には回復したようなときです。

このタイミングから4日目以降に日経平均か前日よりも出来高を増やして上昇し続けるかどうかをみていきます。このような状況になれば本物になる可能性が高くなります。

最も強い上昇は、上昇を始めてから4~7日目に起こります。その際の出来高は、前日よりも増加するだけではなく、ほとんどの場合で1日の出来高が平均出来高よりも多くなります。

注意点としては、上昇を始めたあとに調整が入って下落する場合です。直近だけでなく過去数週間に付けた安値の上か、その近辺に落ち着く場合には上昇はダマしではありません。

この下落の試しが市場平均で最近つけた日中での安値より少しでも上であれば、より強い上昇の基盤が作られたということになります。

 

4-2. 上昇相場に転じたあとの個別銘柄の買いタイミング

上昇相場へのサインが出たからと言って、個別銘柄を急いで購入するということを意味してはいないため注意しましょう。

上昇のサインは「素晴らしい売上と利益が出ている高品質な銘柄が、しっかりしたベースから抜け出したら購入しても良い」というサインでしかありません。

この上昇相場を確認したら、個別銘柄のチャート確認をしていきます。

 

4-3. ふるい落としも見極めが大切

過去の安値を株価が下に抜けたにも関わらず出来高がわずかしか増えない場合、その後に出来高が急減するあるいは平均株価が下げ止まって出来高が1~2日上昇するといった場合には、振るい落とし(マーケットがトレーダーに大きな売り圧力をかけることで、損切りを巻き込む)の可能性があります。

この場合、弱い株主をマーケットから追い出した後に株価が再び上昇に転じる準備を進めていることを意味します。

 

5. マーケットのファンダメンタルとしてのFRB

マーケッとの全体像を占うファンダメンタル指標としては、

・FRB(連邦準備制度理事会)の公定歩合
※FRBが所属銀行に対するローンに適用する金利

・フィラデル・ファンド金利
※準備金を持つ銀行が準備金を持たない銀行に対するローンに適用する金利

などが重要になります。

日本では日銀の金利ですが、日本市場はアメリカ市場の影響を受けやすいので、この2つの指標を確認しておく方が良いですね。

 

一般的に金利は、基本の経済状態を確認する最良の手段です。

過去に、3回続けてFRBの金利が引き上げられた際、それがきっかけとなって弱気相場が始まり不景気に突入したことがあります。

一方で、弱気相場が終わる際には金利が下げられたときが多くなります。

 

6. マーケットを読むことの大切さ

マーケット全体の平均株価と出来高の日々の変化と、市場を先導する個別銘柄の動きを学び、それらを読み取る方法を取得することがとても大切です。

これができれば、素人やプロを問わずにどんな投資家の声にも耳を向ける必要がなくなります。自分の目で見て考えることで、正しいかどうかわからない意見に左右されることが無くなるということですね。

 

評論家のように市場の将来の動きを予測したり、言い当てることが株式市場の熟練者への道ではない。過去数週間で実際に市場で何が起こって、現在は何が起こっているかを知って理解することが正しい道なのだ。

オニールの成長株発掘法

上記のようにこの書籍はオニールに意見を聞いたり、予測の方法を教えてもらうものではないということですね。

日々移り変わる市場の需要と共有を注意深く観察していく方法を学ぶことがベストです。

 

そのために押さえておくべきは「平均株価と出来高の変化を解釈すること」でしたね。

 

さいごに

ここまでCAN-SLIMについて1つずつ見てきたが、やはり一番大切なポイントは「M」ですね。

どんないい銘柄も市場の動向によって、大きく成長するかどうかが決まってきますので、個別銘柄を見極めたあとはどのタイミングでも良いのでこうにゅうするのではなくも市場が上昇相場に変化してからタイミングを見ての購入が望ましいということもわかりました。

 

先導株や市場平均の状態をチェックして、上昇相場なのか下落相場なのかを見極めて、上昇相場で勝負をしていけるようにしたいですね。

 

 

 

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▶「株式投資×IT活用」を考える兼業投資家
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