PTSという夜間取引があるということを知って、何度かPTSの株価を見てみたけれど「イマイチ信用できない」「翌日の始値と乖離があって信用できない」など、どのように活用してよいか分からずにお困りではないでしょうか。
むしろ「PTSの情報は参考にならないのでは?」とPTSに対して疑義を感じていらっしゃるのかもしれません。
PTSは夜間取引ですし、参加している投資家さんも非常に少ないなど、特徴をとらえておく必要があります。
PTSについて簡単に復習をしたのちに本文をご確認いただくと、一層理解が深まると思います。
目次
1. PTSは特徴をうまく使って投資に活かすのがポイント
PTSの情報は各証券会社のホームページや証券会社が提供しているツールなどで確認をする方法よりも、モーニングスター社が提供しているサイトで確認をしていきます。
PTSを確認しているユーザーの大半は、このモーニングスター社の「PTSランキング」のページで情報を確認しているかと思いますので、こちらのPTSランキングの情報が影響度が高いと考えられます。
PTSを使っていろいろな投資の方法について書かれていますが、PTSで購入して翌日の以降の相場で多くの含み益を得ようとする考え方は中級者以上の方の投資法であり、それなりにファンダメンタル分析ができていないと投資ではなくギャンブル要素の強い投機になってしまいます。
PTSは売買するために使うのではなくPTSランキングに登場する銘柄が「なぜランキングに入っているのか」など、何らかの要素を掴んだり、適時開示や四半期決算などでビックチェンジの発表があったなど、優良銘柄に気づくための場として活用できると良いかと思います。
また、決算またぎをした際にサプライズの悪い発表であった場合、PTSの価格を見て一部売却をしておくというのは良い方になります。
PTSの注意点を2章でご紹介していきますが、PTSは一部の個人投資家が少ない出来高の中で価格変動を起こしているものになりますので、買いのタイミングとしてはとても難しいですので、翌日の寄付きをしっかり見て投資をしていくことが大切ですね。
仮に翌日にストップ高を付けるような銘柄があったとしても、無理に買いに走るのではなく、それは決算発表等の前にその銘柄の変化に気づいたりできていなかった自分を反省することの方が大切ですね。
(参考)PTSに関する復習
PTSはジャパンネクスト社のみが取り扱っており、このジャパンネクストを通じて売買できる証券会社も「SBI証券」「楽天証券」など限られた証券会社だけが取り扱っています。
ジャパンネクストのホームページはこちら
また、モーニングスター社が発表しているPTSランキングが、ジャパンネクストの公式データを比較的リアルタイムに近い形で見ることができる唯一のツールとなります。
2. PTSのデータ活用の3つの注意点
PTSはザラ場と比較すると大きく3つのポイントで注意してみていく必要があります。
これらを意識せずにザラ場と同様の考え方でPTSで売買すると、失敗事例を積み重ねていくことになりかねないので注意しましょう。
PTSでストップ高やストップ安付近まで価格が変動していたとしても、翌日の寄り付き前の板を確認するとPTSの価格変動がウソのような株価に集約されて寄り付くケースも珍しくありません。
一時的なPTSの株価の動きに左右されないように注意しましょう。
2-1. 売買をしているのは「ほぼ個人投資家」
PTSの市場で機関投資家が売買するケースはほぼなく、取引しているほとんどのケースは個人投資家です。
PTSで取引をする投資家さんは、PTSでの特徴を知っていて取引を日ごろからPTSで売買をしている投資家さんや、買い煽り・売り煽りなどをする投資家さんがわざと取引をしている可能性もあります。
それ以外にも、PTSについてあまり知らずに手を出してしまう初心者の投資家さんもいると思います。
PTSではお得な買いものができる可能性を秘めていますがそんなことは稀です。
2-2. 出来高が少ないので「だましも多い」
売買の出来高も日中と比べて大幅に少ないことから、PTSで株価の変動があったとしても出来高の少ない銘柄は一部の個人投資家の考えで動いた値動きとなることが多いです。
この場合、翌日の相場が始まる時点では、改めて多くの投資家さんが判断をするため別の動きをしてしまいだましになることもあります。
また、出来高が少ないので少数の取引で価格を釣り上げていくことは意外と簡単ですが、その価格で翌日以降に買いたいと思う投資家さんがいなければ翌日の寄付きの時点では昨日の終値あたりの株価にすぐに戻ります。
2-3. ザラ場よりも「値幅が大きい可能性がある」
多くの銘柄はザラ場中は需給のバランスがとれているため、価格帯によって決まっている1円単位や5円単位の値幅での売買になります。
一部の銘柄は需給が悪く出来高が少ないため、ルールに基づく値幅では売り手や買い手が見つからずに10円以上の開きが出る銘柄もあります。
PTSでは、もともと売りたい人と買いたい人が少ないことから需給が良い銘柄は稀です。
よって、ザラ場中は需給のバランスが取れている銘柄であっても、需給の悪い銘柄のような値幅が大きくなる可能性があります。
値幅が大きいと買う場合には思った価格では購入できずに少し高めで購入することになりますし、売る場合には思った価格では売却ができず少し低めで売却するようなケースは珍しくありません。
3. PTSの活用方法
では「PTSは参考にならない」と思っている場合には、どのような活用をすると「PTSを参考にしよう」「PTSを活用しよう」という考え方になるでしょうか。
まずは、毎日PTSのランキングを確認して、どんな銘柄が夜間取引であるPTSで売買されているのかについて確認していきましょう。
ご自身でデータを毎日繰り返し見ることで、共通点やポイントを見出していくことは、今後の成果につながりやすいことを示唆しています。
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PTSの株価の値上がり率ランキングの調べ方と3つの活用方法
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PTSを日ごろ見ていると次のようなことが見えてくると、次のようなパターンでの活用方法が見えてくると思います。
ポイント
①明日の個別銘柄の値動き予想
②企業のビックチェンジを探すきっかけ
③先買い・先売り
四半期決算を含む決算発表など相場が閉まった後に公開される情報により株がが大きく変動するような場合には、②のビックチェンジを探すきっかけとして活用できますね。
PTSであるていどの出来高があって上昇している株には、少なからず誰かが魅力を感じてわざわざPTSで売買しているということなので、どこかに情報があるのでは。と思って探してみると効果的な情報収集ができる可能性があります。
さいごに
「PTSは参考にならない」というのは、PTSで都合よく儲けるための売買ができなないかと考えたからではないでしょうか。
株式投資は24時間ではなく、9時~15時までです。
この間のトレードで結果を出していく必要がある投資ですが、何となく24時間投資をしたい気持ちが出てしまうことがあります。
情報が公開されたあとにPTSで慌てて購入したとしても、自分だけが周りを出し抜こうとしても、それはなかなか成功には結びつきません。
誰よりも早く良い銘柄を購入場所などと考えずに、PTSでの株価の動きが意味していることは。一体どんなことなのかを考える情報ソースの一つとして考えられるようになると一層PTSのメリットが感じられるのではないでしょうか。