「オニールの成長株発掘法を読んで」または「CANSLIMを知って」、もう少しCANSLIM「N」について詳しく知りたいと思われていると思います。
株式投資をしていると必ず出てくるのが「ウィリアム・オニール」ですね。
オニールの投資法である「CAN-SLIM」の
「N=Newer Companies , New Products New Management , New Highs Off Properly Formed Bases (新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)」
について、私なりに理解した内容をまとめるとともに、どのように投資へ活用しているのかについて触れていきたいと思います。
CAN-SLIM全体については、本サイト内のこちらの記事でまとめています。
続きを見る
CANSLIMを理解する3つの核心ポイントとスクリーニング法
参考
こちらの本を読んでポイントをまとめたものです。
まだ読んでいない方はぜひ一読されることをおススメします。
「オニールの成長株発掘法」
⇒ CAN-SLIMは「最も一貫した最高の成績を上げた手法の一つ」
目次
1. CAN-SLIMの「N」とは:企業に新しい変化が必要!
CAN-SLIMの「N」は、新興企業や新製品、新経営陣といった市場や企業内の変化と、株価がベースを抜けて新高値を付けるチャート的な要素を含みますね。
これは、株価が驚くような上昇を見せるには、何らかの新しいものが必要だということです。
「C」「A」においてもEPSの増加が続くことが大切ということでしたが、新しいものが無いと継続した成長に結びついていかないということですね。
1-1. アメリカで大化けした銘柄の95%に変化あり
1880年~2008年までの大化け株の分析結果として、大化けした銘柄の95%以上が何らかの新しい変化が生じていたという結果が出ていますね。
95%ということは、ほぼすべての銘柄に新しい要素が加わったということですよね。
1-2. 新製品・新経営陣を探す
Newの中には新製品や新経営陣などの企業内の変化がその一つとされています。
ポイント
「新製品」とは、新成分を配合した食器洗剤のようなものではなく、暮らしに革命を起こすような新製品のこと
具体的な内容としては、鉄道や電気、インターネット、スマートフォン、低価格のファーストフードの普及やWindowsなどが挙げられます。本当に大きな変化ですよね。
ポイント
「新経営陣」は、今までの経営陣とは考え方や経営手法が異なるなど、今まで企業が大きく成長しなかった理由を一掃してきれいにしてくれるような変化をもたらす経営陣に変わること
上記のような自社での変革はもちろん大きな変化をもたらしますが。業界の需要拡大や株価上昇、改革的技術の開発などの変化が起きることも良い結果をもたらす一つになります。
2. 「高そうな株は上昇」「割安に見える株は下落」
書籍には「株式市場の大いなる矛盾」とされていますが、最初にこのタイトルを見たときに「?」となりますね。
翻訳の問題のようにも・・・と思いましたが、たしかに「矛盾」が生じています。
ここでいう「矛盾」とは、この2つの相反する点についてです。
ポイント
・多くの個人投資家や機関投資家は安値になると買いたいという心理になる
・実際に上昇する銘柄はその考え方に反した銘柄である
結果的には、株価が高すぎてリスクが高そうに見える銘柄はさらに値上がりし、株価が低く割安に見える銘柄はさらに値下がりする傾向にあるということです。
2-1. 個人投資家・機関投資家が安値を買いたい理由
実際に書かれている内容を見てみると納得ですね。
まずは個人投資家についてです。
驚くほど多くの個人投資家が、投資の初心者や熟練者にかかわらず、天井を付けたあとに大きく下落した銘柄を見ると割安の銘柄を見つけたと喜んで簡単に買ってしまう。
(中略)
私の投資講座に参加していた何十万人という個人投資家の多くが、株価が高値を更新しているような銘柄は買わないと口をそろえて言っていた。
オニールの成長株発掘法より
次に、機関投資家も同様であるということです。
このような偏見は個人投資家だけのものではない。
(中略)
個人投資家機関投資家に提供してきたが、彼らもまた「底値買い」をしていたのだ。株価が大きく下落したり安値圏内で売られているような、一見割安の銘柄の方がリスクを低いと感じているのだ。
オニールの成長株発掘法より
上記のように安値で買いたい理由は、リスクが低いと感じる点が最大の理由ですね。
2-2. 「安値で買って高値で売る」は間違い
昔から言われる「安値で買い、高値で売る」という手法が完全に誤った投資法であるということです。
さらには逆の考え方である「高値で買い、もっと高値で売る」のことが正しいということになります。
これは株価が仮に一株400円~500円の範囲で変動していた場合、1000円になるためには500円を抜けて501円・502円と上昇していく必要があります。
過去に500円が上場来高値であった場合には、500円は高いと思いますが、実際には1000円を目指すうえでは400円に戻ったときに購入するのではなく、500円の上場来高値を超えたところで買うことで1000円を目指していけるということですね。
3章でまとめましたが、買うタイミングが大切になります。
2-3. 高そうな株が上昇する理由
新しい変化が起こったり、新高値をつけた株に対して、一流投資家と二流投資家では投資のタイミングが異なるとされています。
ポイント
・一流の投資家は多くの二流の投資家が「株価が高すぎる」と感じているときに買う
・多くの二流投資家がその株の真の魅力に気づいたとき(株価が上昇したあと)に売る
最高値を更新したばかりでもう値上がりしないのではないかと思えるときに購入すると、最初は多くの投資家がリスクだと感じて購入しないが徐々にその銘柄の魅力を感じて購入する人が増えていけばさらに上昇していくということです。
3. 購入する正しいタイミング(ベースを抜けた新高値)
新高値をつけた銘柄であればどの株でも購入するわけではありません。
そして、新高値を付けたタイミングが正しい買いのタイミングであるとは限らない。とされています。
ポイント
・新高値をつけた銘柄であってもすべて買いたいタイミングではない
・チャートが正しいカタチを形成したものを購入する
・ベース形成期間が7~8週間、長ければ15ヶ月ほど経過したものを購入する
4. (結論)買いの絶好のタイミングとは
強気相場で株価がベースから上へブレイクアウトし始めたときです。
ベースを上にブレイクアウトしても、すでに株価が5%~10%上昇してしまうと買い場としては遅すぎます。
高水準で購入すると、必ず訪れる次の調整や押し目でふるい落とされる可能性が高いので、どんな良い銘柄であっても無鉄砲に購入せず、タイミングを見極めることが大切だとされています。
まとめ
CAN-SLIMの「N」について自分なりに学んだことをアウトプットしてみましたが、「オニールの成長株発掘法」を読まれた際に感じたことは同じでしたでしょうか。
銘柄選定後に、株価が上昇していく裏付けが整っていてるかどうかの見極めについてでしたね。
そして、チャートで新高値を付けていることが大切だということが一番強く示されていました。
良い銘柄が新高値を付けたタイミングを見極めて、一流投資家が儲けるタイミングで自分も設けられるようにしていきましょう。