03.ファンダメンタル編

ROEを株式投資で活かすための目安・調べ方・活用方法の3点解説

「ROEが高い株を購入するとよい」「高ROEランキング」など、株式投資をする際にROEという言葉が出てきますよね。

でも、「ROEって何だろう」「どうやって株式投資に活かしていけばいいのだろうか」と思って調べているのではないでしょうか。

 

ROEとは、一言でこのようなものです。

一般的な表現ですので、詳しくは本章にてご説明していきます。

ポイント

ROEとは

・「Return on Equity」の頭文字をとったもの

・日本語で言えば「自己資本利益率」

 

ROEについての詳しい説明と株式投資での活用方法等について、ここからご紹介していきたいと思います。

 

1. 株式投資におけるROEとは

株式投資で考えたいROEは、「ROEが高い銘柄を購入したい」ということですね。

ROEは自社が保有している借金を除いた純資産を使って、どのくらい利益を出せたのか。という指標です。

 

ポイント

株式投資での業績の良い会社のROEを単純に考えると次のようになります。

・業績が良ければ純資産が増える

・純資産が増えるとROEは悪くなる ※ROEは分母が自己資本のため

 

つまり、投資する会社は業績が良い会社がいいですよね。

でも、投資をする会社の経営効率が良い方がもっといいので、生み出した利益を投資している会社がいいということになります。

 

同じ1000億円の自己資本を持つ会社が、次のような業績だったとします。

A社 : 今期100億円の当期利益が出るところを20億円を投資して80億円で着地

B社 : 今期100億円の当期利益で着地し、特に投資をしなかった

 

一見、B社の方が良いように思えますが、企業は単年の結果ではなく継続的な成長を考えてほしいので、A社の方が投資したい企業になります。

この場合、A社は翌年の自己資本が80億円増えますがB社は100億円増えますので、翌年の利益が同じ場合にはA社の方がROEが高くなり、ROEをチェックしている投資家からはA社の方が経営効率が良い会社という判断になります。

 

よって、利益を出していることや借金が少ないことが前提になりますが、利益を出しながら投資もしている会社を探すための一つの指標としてROEを使うことが大切ですね。

借金の多さについては6章でROAを一緒に見る方法を参考にしてください。

 

2. そもそものROEの意味と計算式とは

ROEは日本語で言うと「自己資本利益率」でしたね。

これは、自社が保有している借金等を除いた純資産を使って、どのくらいの利益を出せたのか。という指標になります。

 

ROEの計算式は、次のようになります。

ROEの計算式

① ROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

または

② ROE(%)=EPS(一株当たり利益)÷ BPS(一株当たり純資産)× 100

イラストの方が見やすい場合もありますので、こちらに記載しています。

 

ROEの計算式

この章の内容は、他のサイトでも同じ内容ですね。

 

3. 株式投資で確認すべきROEの目安は

株式投資でのROEの目安は10%以上と言われています。

 

ROEが20%を超える会社はおおよそ300社あります。

ROEが20%以上の会社を優良企業と言っても良いのですが、借金が多くて自己資本が少ない会社はROEが高くなる傾向がありますので20%以上でなくても十分に良い企業はあります。

 

「目安=足切り条件」という感じで考えるのであれば、10%以上の企業を探すという考え方で良いかと思います。

ROEが10%というと、自己資本が500億円の会社の場合には50億円を稼ぎ出しているということになります。

借金等をしている企業が大半(自己資本比率100%の会社はほぼない)ですので、その部分を加味すると実際には50億円以上の当期利益を出している企業でないとROEは10%にならないですね。

 

ポイント

オニールのCAN-SLIMの「A」の説明では、こちらの目安だと言われていますね。

・急成長を遂げたほぼ全銘柄が最低でも17%のROEを示していたので17%以上の株を買うこと

・特に優れた大化け銘柄は25%~50%だったこと

 

4. 上場企業のROEの調べ方

上場企業のROEは様々な方法で調べることができます。

基本的な式は「ROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100」ですから、日々の株価の変動では変わることはなく、四半期決算等で自己資本または当期利益の数値に変更があれば予想ROEが変化します。

四半期決算の報告で変化が無ければ変わらない数値です。

四季報の場合にはこちらの場所でROEを確認することができます。

 

四季報でのROEの調べ方

出典:四季報

 

SBI証券・楽天証券・株探・Yahooファイナンスなど、株式の情報を提供しているサイトでも「四季報」の情報が記載されているページなどで確認することができます。

 

5. ROEを活用した投資方法

ROEを活用した投資法はいくつもありますので、ご自身の好きなように投資に活用していただくのが良いかと思いますが、実際には高ROE銘柄をスクリーニングして利用することが多いかと思います。

 

3章でご紹介したようにオニールのCAN-SLIMを活用した投資をする場合には、ROE17%以上の大化け株を狙っていくことになります。

別の方法としては、「高ROEランキング+財務の健全性」などをチェックした投資をしていくケースもあります。

 

ROEは経営の効率化を図るファンダメンタルの指標の一つでありますが、これだけで銘柄を選定することは良くありません。

キャッシュフローなどの別の指標と組み合わせながら良い銘柄の選定をしていくことが大切ですね。

 

投資法① 自己資本比率やROAと組み合わせて「高ROE ✕ 健全性」を探す

投資法② ファンダメンタルを調べて成長を確認出来たら、ROEによる経営効率をチェックする

投資法③ 四半期EPS・通期EPSの成長を確認したのち、ROEが成長しているかを確認する

 

6. (要注意)ROEが高くてROAが低い銘柄は対象外

企業は投資家から集めた資金や事業での純利益の積み上げで自己資本を大きくしていきますよね。

一方で、自己資本の割合を示す「自己資本比率」が100%の企業(無借金)の会社は上場企業であっても珍しいですよね。

自己資本比率が100%でないということは、何らかの借入があるということです。

 

たとえば、単純このような企業A社の場合、事業で200億円を稼いだとしても一部は借入の返済に利用されます。

自己資本 1,000億円

借入   1,000億円

総資産  2,000億円(自己資本比率50%)

 

別のB社の場合、A社と同じ総資産ですので事業活動に使える資本は同じで、200億円を稼いだとしてもA社の1.5倍の借入返済があることになります。

自己資本 500億円

借入   1,500億円

総資産  2,000億円(自己資本比率25%)

 

この2社のROEだけを見ると、A社は自己資本1,000億円を使って200億円(ROE20%)を稼ぎ、B社は自己資本500億円を使って200億円(ROE40%)を稼いでいるのでROEの考え方である自己資本の経営効率ではB社の方が優秀ですね。

しかし、企業の実態としては純資産として残る金額は借入の返済が少ないA社ですし、今後の事業成長もA社の方が安定成長しやすいと言えます。

 

実際にはこちらの会社は、ROEが433%と非常に高い企業ですが、総資産6.5億円で自己資本は1億円しかなく、自己資本が16.3%になります。

有利子負債など借入等が多いため、純利益を出していくことが非常に難しい状況だということがわかります。

 

上記のような「ROEが高いだけで自己資本が少ない企業には投資してはいけない」という会社を見分けるためにROAという指標があります。

こちらは「総資産でどれだけの利益を稼げたのか」という指標になります。

自己資本が少なくて借り入れが多くROEが高い会社は、必然的にROAが低くなります。

 

7. (参考)高ROE銘柄

参考情報として、四季報2021年秋号の高ROEリストを掲載します。

 

ROEと自己資本・ROAを比較してみると、どのような銘柄が健全性があるのかすぐにわかりますよね。

 

高ROEランキング

証券コード銘柄上場区分分野ROE自己資本比率ROA
9241フューチャLN東証マザーズサービス業844.42.017.12
3807フィスコジャスダック情報・通信業446.946.8208.97
6166中村超硬東証マザーズ機械159.78.313.29
9107川崎汽船東証海運業121.522.427.19
6191エアトリ東証サービス業121.39.010.96
4679田谷東証サービス業118.520.924.8
7373アイドマHLD東証マザーズサービス業94.330.428.62
4595ミズホメディー東証2部医薬品92.262.557.61
4937Waqoo東証マザーズ化学90.113.712.31
4196ネオマーケティジャスダック情報・通信業89.121.519.14
7187ジェイリース東証その他金融業88.014.813
4814ネクストウェアジャスダック情報・通信業81.955.545.45
9101日本郵船東証海運業80.029.423.52
7374コンフィデンス東証マザーズサービス業78.241.032.07
4199ワンダプラネト東証マザーズ情報・通信業75.243.932.98
4193ファブリカコミ名証情報・通信業71.035.625.28
9878セキド東証2部小売業67.114.09.42
3185夢展望東証マザーズ小売業67.05.73.81
8918ランド東証不動産業65.376.249.69
4175coly東証マザーズ情報・通信業64.060.938.98

出典:FPIT独自調べ

 

さいごに

日ごろのビジネス指標の中でもROEという値はもちろん使われています。

本記事を読まれた方は単純にROEの考え方が知りたいのではなく、株式投資でどのように活かしていくのかが知りたい買ったと思います。

こちらの記事でROEの活用についてご理解をいただけたでしょうか。

 

ROEは日本の上場企業の成長度をはかっていくとても大切な指標になりますが、ROE単体での判断は非常に危ないということもお分かりいただけたと思います。

ぜひ本記事を参考にして、良い銘柄選定をしていただければと思います。

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