02.テクニカル編

【相場格言】干支による株価の傾向は?知っておきたいアノマリーとは

干支は12年の周期で回っていますが、この干支になぞって相場の勝敗を分析したデータがあることをご存じでしょうか。

これは、干支になぞった相場の格言傾向からは

「寅年は・・・」「卯年は・・・」という記事などを見て、格言の全体を知りたくなって調べられてることかと思います。

 

本記事では、相場の格言として干支による株価の傾向についてご紹介していきます。

 

1. 干支で集計した1年間の株価動向とは

日経平均株価が始まった1950年は「寅年」でした。

2022年が寅年ですので、1950年から2021年までの72年間で干支はちょうど6周したことになりますので、すべての干支において6年分の実績がありますので、を比較してみたいと思います。

 

1-1. 干支ごとの相場格言と勝敗

まずはそれぞれの干支に託された兜町の相場の格言と、72年を経過した結果として各干支の6回の勝敗を見てみましょう。

 

「平均暴落率」は過去6回の干支の年間の上昇・下落の値幅率の平均です。勝率が高いから平均上昇率・暴落率が高いわけではありませんね。

 

相場の格言どおりに市場は動いていませんが、干支の12年の動きには一定の傾向があります。この傾向を知っておくことも大切ですね。

 

また、全体の傾向を見ると卯・辰・巳の年の上昇が高いので、2023年から2025年の相場は期待できそうですね。

 

干支の相場格言と勝敗の一覧

干支相場格言勝敗平均暴落率
子は繁栄4勝2敗22.5%
丑つまづき4勝2敗0.7%
寅千里を走る1勝5敗1.8%
卯跳ねる4勝2敗16.4%
辰巳天井4勝2敗28.0%
4勝2敗13.4%
午尻下がり3勝3敗▲5.0%
未辛抱4勝2敗7.9%
申酉騒ぐ5勝1敗8.8%
5勝1敗15.7%
戌笑う4勝2敗6.2%
亥固まる5勝1敗16.5%
総計47勝25敗

※前年終値と当年終値を比較して当年が高い場合には「勝ち」

※データは日経平均が開始した1950年~2021年まで

(出典:FPITによる独自作成)

 

1-2. 干支ごとの年間の値幅額の推移

1-1で見た平均上昇率・暴落率と視点を変えて、上昇幅・下落幅で見ていくと次のようになります。

 

こちらの上昇幅・下落幅を見ても、平均上昇率・暴落率と同様に卯・辰・巳の年の上昇幅が大きいですね。

 

干支の勝敗と上場幅・下落幅の一覧

干支勝敗勝ちAve負けAve総合Ave
4勝2敗2,103円-3,478円243円
4勝2敗1,170円-2,502円-46円
1勝5敗5,588円-449円557円
4勝2敗2,140円-984円1,099円
4勝2敗2,841円-2,579円1,034円
4勝2敗3,717円-1,684円1,917円
3勝3敗777円-5,684円-2,454円
4勝2敗1,079円-517円547円
5勝1敗399円-6,059円-677円
5勝1敗1,995円-75円1,650円
4勝2敗987円-1,561円138円
5勝1敗1,320円-1,918円780円
総計47勝25敗1,758円-2,158円393円

※前年終値と当年終値を比較して当年が高い場合には「勝ち」

※データは日経平均が開始した1950年~2021年まで

(出典:FPITによる独自作成)

 

2. 一番勝率が高いのは「申・酉・亥」

72年の中で6勝と全勝を飾った干支はありませんでした。

しかし、「5勝1敗」という好成績の干支が3つありました。

 

「12分の3」と4年に1回は5勝1敗の好成績の干支に巡り合えるというような傾向ですね。実際には上昇率や下落率で見ると別の干支になりますが、勝率でみるとこちらですね。

干支の順番で見ると後半に行くと安定した勝率の年に巡り合えますね。

 

勝率が最も高い干支

干支勝敗平均下落率
5勝1敗16.5%
5勝1敗15.7%
5勝1敗8.8%

(出典:FPITによる独自作成)

 

3. 一番勝率が低いのは「寅」

72年の中で6敗と全敗となった干支はありませんでした。

しかし、「1勝5敗」というかなり厳しい成績の干支がありました。

 

本記事を書いているのが2022年の寅年ですので、今年は注意が必要ですね。

平均の下落率ではマイナスではありませんが、「1勝」をした年の株価の上昇率・上昇幅が高いことに影響を受けているため、過去の傾向からは厳しさが感じられます。

 

勝率が最も低い干支

干支勝敗平均下落率
1勝5敗1.8%

(出典:FPITによる独自作成)

 

4. 相場の格言は知っておいて損はない

「火の無い所に煙は立たぬ」ということわざのとおり、相場の格言も全く根拠がなく作られることはありません。

 

「干支の由来」や「12にまつわる周期性」など、まだまだデジタルでは表せない不思議な世界観があり、格言はアナログな世界観です。

 

格言で有名な「Sell in May(セル・イン・メイ)」などもありますが、この格言も大切にすることで恩恵を受けている方も多いと思います。

 

投資を判断する決定的なものにはなりませんが、相場の傾向として知っておくことはとても大切ですね。

 

5. 2022年は「寅年」!相場には要注意

3章でも書きましたが、2022年は寅年です。

過去6回の寅年の株価は次のようになっています。

 

寅年の勝率・暴落率の一覧

干支前年比暴騰率判定
2010-318円-3.01%×
1998-1,417円-9.28%×
19865,588円42.61%
1974-490円-11.37%×
1962-12円-0.85%×
1950-8円-7.28%×

(出典:FPITによる独自作成)

 

1986年は大幅な上昇ですが、それ以外の年についてはマイナスで終わっています。

 

前年の「2021年の終値は28,791円」です。

アノマリーを信じて進むと、2022年の年末の株価は28,791円を下回るところで着地をしそうですね。

もちろん、年の途中は特に意図されていないので、大幅な上昇後に下落しての調整なのか、大幅な下落後の上昇しての調整なのか、別のシナリオなのか。こればかりは誰もわからないですね。

 

年末に向けて意識をしておくこと、来年からの3年は上昇しやすいので準備をしておくことなどに意識を向けられれば十分かもしれないですね。

 

(参考)1950年以降のすべての干支と結果

日経平均株価がスタートした1950年から2021年までの72年間で、干支が6周したことはすでに記載しましたがそのすべてのデータをこちらに掲載します。

 

1950年以降の干支と株価の騰落結果

干支結果前年比
1950-8円
195164円
1952197円
195315円
1954-22円
195570円
1956123円
1957-75円
1958192円
1959208円
1960482円
196176円
1962-12円
1963-195円
1964-9円
1965201円
196634円
1967-169円
1968431円
1969644円
1970-372円
1971727円
19722,494円
1973-901円
1974-490円
1975541円
1976632円
1977-125円
19781,136円
1979568円
1980547円
1981565円
1982335円
19831,877円
19841,649円
19851,571円
19865,588円
19872,863円
19888,595円
19898,757円
1990-15,067円
1991-865円
1992-6,059円
1993492円
19942,306円
1995145円
1996-507円
1997-4,103円
1998-1,417円
19995,092円
2000-5,149円
2001-3,243円
2002-1,964円
20032,098円
2004812円
20054,623円
20061,114円
2007-1,918円
2008-6,448円
20091,687円
2010-318円
2011-1,774円
20121,940円
20135,896円
20141,159円
20151,583円
201681円
20173,651円
2018-2,750円
20193,642円
20203,788円
20211,348円

 

まとめ

相場の格言には、干支を使った12年周期の考え方と傾向があることをお分かりいただけたと思います。

 

占い等でも生まれた年や時間など12という周期を使うケースは多々ありますね。

干支など12年周期に関わっているものは株価だけではありません。

アメリカの大統領選挙やオリンピックも4年に1度ですが、12の周期に重なってきます。

 

まったく関係ないのに格言は作りませんので、アタマの片隅に入れておくことが大切ですね。

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▶「株式投資×IT活用」を考える兼業投資家
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