決算発表やニュースを確認して「ある銘柄を購入しよう」と思っていたら、翌日の相場の寄り付き前の8時~9時の間に大幅に上昇して買うべきかどうか悩んだことから、どうすべきだったか調べられているのではないでしょうか。
買えなかった場合には良い銘柄が見つかったのに買えなかった悔しさが残ると思います。
しかし、相場や銘柄によってはジャンピングキャッチをして高値掴みとなることもありますので、メリットを押さえつつ購入するタイミングを計ることが大切ですね。
寄り付きで成り行きをする場合には、流れを見ながら「寄り付き成り行き注文(寄成)」を出すべきか考えてましょう。
目次
1. 寄り付き成り行き注文(寄成)は兼業投資家が
買い場がたくさんあり、買う銘柄がたくさんある中で、なぜ「寄り付き成り行き注文」を狙っているのか、冷静に判断をしましょう。
そもそも「寄り付き成り行き注文」についてわざわざ考えている時点で、見ている銘柄は決算発表やニュースなどで株価が上昇する要素を持っている場合かと思います。
PTSで値が上がったり、当日の寄り付き前に価格が大きく上昇する板を見ている場合に判断するものであり、前日の終値から始値の変動が少ない銘柄ではわざわざ「寄り付き成り行き注文」をしようとは思いませんよね。
直近の株価と単純に比較すると「高くて買う価値がない」「高値掴みが不安」に感じるケースがありますが、そのような場合にはやめた方がいいですね。
また、少なくとも本記事を読み進めていく場合には、サプライズ決算の意味が理解できている前提となります。
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あと、誰にとって寄り付き成り行き注文にメリットが大きいかというと、これは兼業投資家さんですね。
2. 寄り付き成り行き注文(寄成)のメリット・デメリット
寄り付き成り行き注文のメリット・デメリットを押さえて、活用をしていくべきか判断していくことはとても大切です。
どちらかというとデメリットが大きいような手法ではありますが、特に兼業投資家にとっては寄り付き成り行き注文を活用することで投資の幅を拡げていくことができるようになります。
寄り付き指し値(寄指)で自分が思った価格で狙ったり、相場が開いても始値が決まらなければ調整をしていくことも良いのですが、これは始値が付くまで見守ることができる専業投資家さんの強みの部分ですね。
それができない兼業投資家にとって、様々なケースを想定すると一番無難な買いポイントが寄り付きとなり、価格を市場に合わせるしかありませんので必然的に「成り行き」を選択することになりますね。
2-1. 寄り付き成り行き注文(寄成)のメリット
メリットは「どうしてもこの銘柄を購入したい」という意思を「前日の相場が終わってから当日の相場が始まる前まで」に持った場合に、ストップ高でなければ相場に張り付いていなくても約定させることができることです。
兼業投資家が、ニュースや決算発表のあとに目標株価を計算したりファンダメンタル分析をした結果、割安だと判断した場合に場中に購入したいのに購入できないときに使うとメリットが出てきます。
よって、「寄り付き成り行き注文」のメリットはこちらの2つです。
ポイント
1.始値で約定できる
2.ストップ高でなければ約定できる
「これがメリット?」と感じることも多いですが、相場は後から振り返ると「あの日のあのタイミングで買いたかった」と誰もが思うものです。
そのタイミングで購入するための取引手段としてメリットになります。
2-2. 寄り付き成り行き注文(寄成)のデメリット
デメリットは不安定さや価格の上場幅、高値掴みなど、ご自身のトレードにとって基本的にはマイナスな要素が大きいことです。
場中に始値ほ見守ることができるのであればその方がいいですね。
でも兼業投資家にはできないことが多いので、これらのデメリットを払拭する理由がある場合には活用をしていきます。
「寄り付き成り行き注文」のデメリットはこちらの3つです。
注意ポイント
1.約定する価格が始まってみないとわからない
2.ストップ高だと買えない
3.ジャンピングキャッチ(高値掴み)
ただし、デメリットの3つめの「ジャンピングキャッチ(高値掴み)」をしないように、しっかりと判断すべきポイントがあります。
次の章でご紹介をしますが、デメリットの要素が強いため活用すべきはしっかりと条件が揃った場合のみです。
3. 寄り付き成り行き注文(寄成)を活用すべきタイミング
「寄り付き成り行き注文をすべきは兼業投資家」という話をしてきましたが、この注文を出しておくとストップ高周辺で購入してしまうケースもあります。
それでも良いというのは次のようなポイントを満たす場合となります。
別の見方としては、カタリストがしっかりしている銘柄ということですね。
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3-1. 自信のある高い目標株価が持てたとき
決算発表や中計、ニュースなどでその銘柄の目標株価が大幅に上昇をした場合、現在の価格では割安となります。
こういった銘柄について、いち早く株主になるために「寄り付き成り行き注文」を活用します。
ポイント
①決算発表やニュースなど強いファンダメンタルが発表された
②①により高い目標株価が計算でき明日の株価がストップ高でも割安と判断
③出来高が急増して強い投資家が一緒に株価を押し上げてくれる
「寄り付き成り行き注文」で「株価が上昇するものの出来高を伴わない場合」にはそのあと急落する恐れもありますので、できれば「寄り付き成り行き注文」で入れても始値の時点である程度の出来高があるかどうかチェックできるといいですね。
3-2. カップウィズハンドル・VCPなどを抜けたタイミング
カップウィズハンドルやVCPなど新高値を掴んでいくようなテクニカル手法を使っている場合には、新高値を付けたタイミングで出来高が急増して上昇に入っていくことも多々あります。
新高値を付けるタイミングがたまたまニュースや決算発表になる場合もありますが、新高値を付けた当日や翌日に「寄り付き成り行き注文」で入るのも良いですね。
カップウィズハンドルの例をみていきましょう。
「★」マークのタイミングではハンドルブレイクや新高値ブレイクといった株価がさらに上昇するポイントになっていますので、「★」マークの時点でチャートを見れば「割高」「高値掴みが心配」となりますが、後から見ると「あのタイミングで勝っておくのが正解」となりますね。
ポイント
①カップウィズハンドルやVCPなど、上昇を後押しするテクニカルを満たした
②決算発表やニュースなど強いファンダメンタルの裏付けがあり強い投資家が入ってきそう
③出来高が急増して強い投資家が一緒に株価を押し上げてくれる
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さいごに
寄り付きで成り行き注文をするメリットが一番大きいのは「兼業投資家」だということがお分かりいただけたと思います。
専業投資家の方などは、もう少しリスクを減らして寄り付き指値買いやザラ場が始まってから購入という判断もできますね。
兼業投資家の方が相場の流れについていくには、リスク・リワードを十分に考えていかないといけません。
今回の「寄り付き成り行き注文」をする銘柄が、「寄り付き成り行き注文」のデメリットや活用すべきタイミングを見計らってリワードの方が大きいと判断した場合にはぜひ活用をしていきましょう。
繰り返しておきますが、「寄り付き成り行き注文」をする場合にはストップ高周辺で買いが入るケースも多く、10%以上の高値で購入するケースも珍しくありませんので、利益がその分減ったり、高値掴みになるリスクもあることは十分に頭に入れておきましょう。
あと、「寄り付き成り行き注文」を入れたのにあまり株価が上昇しなかった場合には「ラッキー」という前に、他の投資家から賛同が得られなかったことから自分のファンダメンタル分析を見直すきっかけにしましょう。