03.ファンダメンタル編

株の業種をチェック!33の業種一覧・ランキングと投資への活かし方

四季報や株探などで個別の企業をみると「業種」が必ず書かれています。

「業種っていくつあるんだろうか」「〇〇セクターの株が上がっているから業種の動向をチェックした方がいい」など、株式投資をする際に個別株の業種ではなく、上場株の全体の業種について知りたいことがありますよね。

 

また、雑誌や記事で全体の傾向などを見ることはありますが、ご自身で今後も継続的にチェックしていこうと思うと困ってしまいます。

 

本記事では、業種の傾向や業種別ランキング、業種を使った投資法などについてご紹介していきます。ね

1. 株の33業種一覧をチェック

上場をしている個別銘柄の業種であればすぐに見つけることができますが、なかなか全体を俯瞰してみることはできないですよね。

 

上場企業の業種は33業種あり、「その他」を含む34の分類に分けられます。

この33業種への分類は上場をした際に決まり、ほぼ上場後に変更されることはありません。

 

各業種の社数を確認してみると、1桁の銘柄数で構成されている業種もあれば500社を超える銘柄数で構成される業種もありますので、業種は一律同じような考え方では取り扱えそうにないこともわかります。

 

33業種と社数

業種社数
1水産・農林業12
2鉱業6
3建設業168
4食料品128
5繊維製品52
6パルプ・紙26
7化学216
8医薬品71
9石油・石炭製品11
10ゴム製品19
11ガラス・土石製品59
12鉄鋼45
13非鉄金属35
14金属製品93
15機械232
16電気機器244
17輸送用機器92
18精密機器50
19その他製品111
20電気・ガス業24
21陸運業67
22海運業13
23空運業5
24倉庫・運輸関連業40
25情報・通信業526
26卸売業324
27小売業347
28銀行業87
29証券・商品先物取引業40
30保険業14
31その他金融業34
32不動産業140
33サービス業504
その他62

(出典:FPITによる独自集計)

 

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2. 業種別の社数ランキング

33業種に対して社数のランキングを作成しました。

銘柄数の多い業種からの10社、少ない業種からの10社をピックアップしました。

 

多い順に見ていくと「情報・通信業」は526銘柄、「サービス業」は504銘柄で構成されています。業種の特徴をつかむと言っても多くの要素がありすぎて、テーマ株のように掘り下げていかないとなかなか傾向が掴みづらいですね。

 

銘柄数の多い業種ランキング

順位業種銘柄数割合
1情報・通信業52613.5
2サービス業50412.9
3小売業3478.9
4卸売業3248.3
5電気機器2446.3
6機械2326
7化学2165.5
8建設業1684.3
9不動産業1403.6
10食料品1283.3

(出典:FPITによる独自集計)

 

銘柄数の少ない業種ランキング

順位業種銘柄数割合
1空運業50.1
2鉱業60.2
3石油・石炭製品110.3
4水産・農林業120.3
5海運業130.3
6保険業140.4
7ゴム製品190.5
8電気・ガス業240.6
9パルプ・紙260.7
10その他金融業340.9

(出典:FPITによる独自集計)

 

3. 業種別の時価総額ランキング

それぞれの業種ごとに時価総額の大きい企業を確認しておきましょう。

 

業種別でみる際に、時価総額の大きい企業に影響を受けやすいので各業種の時価総額ランキングを確認しておくのは大事ですね。

 

Quickが業績シェアマップを出しているので、こちらを活用するといいですね。

時価総額の大きさで縁のサイズが変わる点も見やすいですね。

 

情報・通信業526社の2022年の時価総額 トップ10

(出典:Quick)

 

サービス業504社の2022年の時価総額 トップ10

(出典:Quick)

 

上記のようなトップ10はこちらのサイトで確認することができます。

 

4. 業種別ETFで年間騰落率を確認(過去7年)

業種別の年間の騰落率をチェックしたのですが、統計を出すのが難しいため業種別ETF(TOPIX-17)を使ってチェックします。

 

業種別ETF(TOPIX-17)は東証一部に上場している全銘柄をこちらの図のように17業種に分けて、時価総額で加重平均を出した株価指数です。

年ごとにTOPIXより良い動きをした業種を確認しておきましょう。

 

33業種と業種別ETFの関係

(出典:野村アセットマネジメント)

 

業種別ETFの年間騰落率

(出典:野村アセットマネジメント)

 

【景気敏感セクター】

素材・化学、自動車・輸送機、機械、電機・精密 等

 

【ディフェンシブセクター】

食品、医薬品、電力・ガス、運輸・物流 等

 

5. 株の業種別の値動きをチェック(日々)

業種別の値動きは毎日、傾向を確認しておきたいですね。

ニュース等に合わせて特定の業種が動くことがありますので、いつも頭に業種の考え方を入れておくといいですね。

 

5-1. 業種別の株価指数ランキング(毎日)

業種別株価指数の変化率をリアルタイムでランキングにしてくれています。

33業種のうち値上がり率トップ10と値下がり率トップ10を確認することができます。

 

業種別株価指数 変化率リアルタイムランキング

(出典:世界の株価)

 

上記の本日の最新ランキングはこちらから確認できます。

 

5-2. 業種別の株価指数の変化率一覧(2ヶ月分)

業種別株価指数の変化率を1日ごと2ヶ月遡って確認することができます。

 

上昇か下落かが連続すると業種名の下の「連続」欄に数値が表示されます。

(出典:世界の株価)

 

上記の変化率一覧はこちらから確認できます。

 

5-3. 株の業種別チャートの確認方法

業種別の情報は上記の5-1、5-2のサイトの方が容易に確認ができますね。

 

一方で楽天証券のマーケットスピード2でも情報・ランキング・チャートを見ることができます。

ログイン後に「投資情報」-「業種別指数一覧」から見たい業種を選択して「チャート」ボタンを押すことで、見たい業種のグラフをチェックすることができます。

こちらは「日足」が表示されていますね。

 

マーケットスピード2の業種別指数一覧の見方

(出典:マーケットスピード2)

 

マーケットスピード2の業種別チャートの見方

(出典:マーケットスピード2)

 

6. 株の業種別データを投資へ活かす方法

業種別の年間の値動きにはアノマリーの要素が含まれる場合があります。

各企業の独自の業績の向上というよりは、景気の循環やニーズの変化から業種全体の業績が好調になるケースも多々あります。

 

株を購入する際には各企業の業績をしっかりと確認してから購入したいのですが、業種の傾向もつかんでおくことで、業界の変化などをとらえることができますね。

 

6-1. 業種ごとの傾向をつかむ

特に海運などの資源株は景気の流れに沿って大きな波があることが分かります。

 

こちらは海運の2002年から2020年の月足データです。

2007年に高値を付けていますが、2004年頃から徐々に上昇をしています。

そして高値を付けて以降は大きく下落をして、そのまま株価が戻ることはありませんでしたが、コロナで船の数が減少するなどニーズが高くなり2021年から株価が上昇していますね。

投資をするポイントを業種別でも確認することができますね。

 

 

その他、業種ではありませんが半導体も市場のニーズの変化によって、企業の業績が左右されますね。

 

6-2. 業種の社数の違いに注意する

6-1で例に挙げた海運株は13社で構成されています。

その中で東証一部上場銘柄は8社です。よって8社の業績で業種別指数が変化していきます。

 

景気やニーズによって8社の業績は大きく変化する場合があります。特に海運はバルチック海運指数という運賃のベースとなるレートがあります。このレートが上がれば必然的に運賃が上がり業界全体の業績が上がることも考えられます。

 

一方で、2章の業種別の社数ランキングで上位であった「情報・通信業」の1部上場は234件、「サービス業」は227件です。これらの業種別の動きは全体の傾向が相場全体に影響されることは多いのですが、業種特有の動きを長期間することは珍しいですね。

 

よって、業種を構成している社数と値動きの関係性もチェックしておくと投資に役立ちますね。

 

さいごに

株式投資をしていて業種別の値動きの話を聞くと、どんな内容なのか知りたい。と思うことはあったかと思いますが、内容について理解いただけたでしょうか。

 

日本の上場株は33業種です。

業種別の指数は、東証一部に上場している銘柄だけで構成されますので、実際には指数に影響を与える社数をしっかりとチェックしておく必要があることがお分かりいただけたと思います。

 

全体の傾向や市場の変化、機関投資家の資金の流れ先など、大まかな流れをつかむには業種をとらえて、業種別の動きを見ていくといいですね。

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